コロナ禍を経て、企業の研修スタイルは大きな転換期を迎えています。在宅勤務の定着により、従来の集合研修が実施しづらい状況が続く一方で、デジタル化の波は新しい研修の可能性を広げています。
しかし、「オンライン研修では参加者の集中力が続かず、学習効果に疑問がある」「個人の習熟度の差が顕在化し、一律の研修では十分な効果が得られない」「せっかく実施した研修の学びが現場で活かされていない」などといった課題もあり、研修担当者の方々からは、「効果的な研修をどのように設計し、実施すればよいか」という声を多くいただきます。
一方で、このような状況下でも成果を上げている企業があります。その特徴として、オンラインとオフラインを効果的に組み合わせ、少人数制での密度の高い学びを実現していることが挙げられます。また、実践を重視したカリキュラム設計や、定期的な振り返りと改善を行うことで、着実な成果につなげています。
本記事では、これらの要素を取り入れた4つの効果的な研修手法をご紹介します。それぞれの特徴や活用シーン、実施時の注意点について、具体的に解説していきます。すでに研修を実施している企業の方はもちろん、これから研修を設計される方にとっても、実践的なヒントとなる内容をお届けします。
1.チーム学習型研修
複数名の社員でチームを組み、オフラインやオンラインで定期的に集まって学び合う研修スタイルです。
チーム構成は4-6名が最適とされ、異なる部署や経験年数のメンバーを組み合わせることで、多角的な視点での学びが促進されます。
週1回のミーティングを通じて、お互いの経験や課題を共有しながら、実践的なスキルを習得していきます。
具体的には、事前学習で個人が取り組んだ課題をチームで共有し、ディスカッションを通じて理解を深めます。また、チームメンバー同士での相互フィードバックにより、新たな気づきや視点を得ることができます。

上記のようなサイクルを繰り返すことで、個人学習とチーム学習を効果的に組み合わせ、高い学習効果を実現します。
効果的なケース
在宅勤務者が増え、集合研修が難しい
拠点が分散していて、統一した研修が実施しづらい
時差出勤で全員の予定が合わない
オンライン研修でも高い参加意欲を維持したい
部署を越えた横のつながりを作りたい
研修時の注意点
多様なメンバー構成を意識したチーム編成
発言が偏らないよう、進行役を設定する
定期的な振り返りの機会を設ける
学習テーマは具体的な業務課題に紐づける
2.習熟度に合わせたカスタマイズ研修
事前アセスメントによって受講者のレベルを判定し、習熟度に応じた学習内容を提供する研修スタイルです。
基礎、応用、実践の3段階に分かれたカリキュラムを用意し、各自が自分のペースで学習を進めていきます。オンラインでの個別学習と、同レベルの受講者同士のグループワークを組み合わせて実施します。

効果的なケース
受講者のスキルレベルに大きな差がある
全員一律の研修では満足度が低い
個人の成長スピードに合わせた学習を実現したい
モチベーションの維持が課題
きめ細かな進捗管理が必要
研修時の注意点
適切なレベル判定基準の設定
各レベル間の学習内容の連続性確保
個別フォローの仕組み作り
レベル間の交流機会の創出
上位レベルへの挑戦意欲を促す工夫
3.実践型OJT研修
実際の業務課題を教材として活用し、研修と実務を直結させる研修スタイルです。
座学で学んだ内容を、その場で実践し、上司や先輩社員からフィードバックを受けることで、確実なスキル定着を図ります。

実践、振り返り、改善のサイクルを繰り返すことで、実務で活きる力を養成します。
効果的なケース
研修内容を現場で活かせていない
座学中心の研修に限界を感じている
実践的なスキル習得が急務
上司を巻き込んだ育成を行いたい
具体的な成果を出したい
研修時の注意点
適切な難易度の課題設定
実践の機会を確実に確保
上司と部下の役割の明確化
定期的なフィードバック機会の設定
成果の可視化と共有
4.シナリオ型ロールプレイ研修
主にカスタマーサービスや営業の社員向けに、実践的な対応力を養成する研修です。シナリオは実際の商談やクレーム対応事例をベースに作成し、段階的に難易度を上げていきます。]

実際の商談やクレーム対応を再現したロールプレイに取り組み、録画による振り返りや、熟練社員からのフィードバックを通じて、現場ですぐに活かせるスキルを習得します。オンライン商談にも対応したシナリオを用意し、環境に応じた対応力を強化します。
また、録画データは研修後も学習教材として活用し、好事例の共有や新人教育にも役立てることができます。定期的なフォローアップ研修を実施することで、スキルの定着と向上を図ります。
効果的なケース
新人営業の早期戦力化が課題
クレーム対応スキルの向上が必要
オンライン商談の機会が増加
標準的な対応品質を確保したい
属人的な優良事例を共有したい
研修時の注意点
実際の商談事例をベースにしたシナリオ作り
業界や商材の特性に応じた設定
録画を用いた客観的な振り返り
熟練社員のノウハウ共有の機会設定
オンライン特有の対応ポイントの整理
新時代のIT研修ソリューション「CREW」
本記事でチーム学習型の研修についてご紹介しましたが、独自に仕組みを構築し、効果的に運用していくことは決して簡単なことではありません。カリキュラムの設計や進捗管理の仕組み作りなど、検討すべき要素は多岐にわたります。
そこで注目したいのが、チーム学習型研修のプラットフォーム「CREW」です。
チーム学習×テクノロジーで実現する新しい研修スタイル
CREWは、チーム学習の効果を最大限に引き出すために、最新のテクノロジーを活用しています。生成AI(ChatGPT)による24時間の学習支援、オンライン・オフラインを組み合わせたハイブリッドな学習環境、さらにはデータに基づく進捗管理など、従来の研修では実現できなかった革新的なアプローチを実現しています。
4つの特徴から見る具体的な導入メリット
4-5名の最適なチームサイズ設定、1日単位できめ細かく設計されたカリキュラム、専属コーチによる伴走支援、そしてチーム全体の成果にリンクしたインセンティブ設計。
これらの要素が組み合わせ、「誰一人取り残さない」研修を実現します。特に、チームの連帯責任がもたらす相互支援の環境は、従来の研修では得られない効果を生み出しています。
導入企業が語る具体的な数値と成果

導入企業からは、研修コストを1/5に抑えながら、修了率100%を達成するなどの具体的な成果が報告されています。
特に、従来型の研修で課題となっていた「理解度の個人差」「モチベーション維持」「早期離職防止」といった課題に対して、顕著な改善効果が確認されています。
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まとめ
本記事で紹介した4つの研修手法は、それぞれの特徴を活かしながら、確実な学習効果を生み出すことができます。
ポイントは、オンラインとオフラインのベストミックス、個々の習熟度への配慮、実践重視のアプローチ、そして継続的な改善サイクルの確立です。これらの要素を組み合わせることで、研修の質を大きく向上させることができるでしょう。
まずは自社の課題や目的を明確にし、それに適した手法を選択することから始めてみてください。そして、実施後の効果測定と改善を重ねることで、より良い研修プログラムへと進化させていくことができます。従業員の成長が企業の成長につながる―その実現に向けて、本記事が皆様の研修改革の一助となれば幸いです。