【2025年最新】デジタル人材育成のための研修設計ガイド|DX推進に効くカリキュラム・ポイントを徹底解説
- 将平 東
- 1 日前
- 読了時間: 11分
デジタル人材の育成は、もはや一部のIT部門だけの課題ではありません。すべての業種・職種でDXが求められる今、誰もが「デジタルを使いこなす力」を身につける必要があります。
本記事では、デジタル人材育成研修の設計方法からおすすめのカリキュラムまでを体系的に解説します。
なぜ今「デジタル人材育成研修」が必要なのか?

DX推進が進む中での人材ギャップ
多くの企業がDX戦略を掲げている中で、実際に変革を推進できる人材が社内に不足しているという問題が浮き彫りになっています。
新しいITツールやシステムを導入しても、現場で使いこなせる人材がいなければ成果につながりません。このような「実行力の空白」がDXの停滞を招いています。
経営層だけがデジタルの重要性を理解していても、実務に関わる社員が「自分ごと」として取り組めなければ変革は進みません。だからこそ、全社的な意識とスキルの底上げを行う研修が必要なのです。
IT人材だけでは不十分、すべての職種に求められるリテラシー
かつてはIT部門やシステム担当者に任せておけばよかったIT関連業務も、現在ではすべての職種で必要とされるようになっています。
営業、経理、総務、製造、販売など、あらゆる業務にデジタル技術が関わっており、Excelやクラウドツール、BIツールの基本操作すらできないと、業務に支障が出る時代です。
特に、非IT職種の社員に対する基礎的なリテラシー教育の遅れが、DX推進のボトルネックとなるケースが増えています。研修は専門職向けだけでなく、全職種向けに展開することが求められています。
デジタル人材に必要なスキル

基本的なデジタルリテラシー(情報活用・セキュリティ)
デジタル人材にまず必要なのは、基本的なデジタルリテラシーです。
これは、情報を正しく扱うスキルや、セキュリティ意識、クラウドサービスの仕組みへの理解といった、すべての業務の土台になる力です。例えば、社外への情報漏洩リスクを最小限にするためのファイル管理ルールやパスワード設定の適切さ、メールやSNSを介したフィッシング詐欺への対処など、ITの知識がなくても対応できるように教育することが重要です。
これらのリテラシーは、社員のリスク管理能力を高め、企業全体の信頼性にもつながります。
実務で活かせるITスキル(Excel・BI・クラウド等)
実務で活かせるITスキルは、業務効率化や意思決定の迅速化に直結するため、デジタル人材にとって欠かせません。
特に、Excelの関数やピボットテーブルによる集計、Googleスプレッドシートの共有・自動更新機能、BIツール(Looker StudioやTableauなど)によるデータの可視化は、全職種で活用できるスキルです。また、Google DriveやOneDriveなどのクラウドストレージを活用し、ファイル管理や共同作業を効率化する力も求められます
こうしたスキルは、OJTだけでは習得が難しいため、体系的な研修で段階的に習得させることが理想です。
DX推進人材に求められる企画・推進スキル
単なるIT活用にとどまらず、業務改善や新規価値創出を担う「DX推進人材」には、ITスキル以上に企画・推進スキルが重要です。
現場の課題を発見し、解決に導くための思考力や、他部門と協働してプロジェクトを進める調整力、経営層に施策を提案するプレゼン力などが求められます。さらに、アジャイルやデザイン思考などの手法を活用して、スピード感を持って変化に対応できる能力も必要です。
これらのスキルは、座学だけでなく実践を通じて習得する必要があるため、ケーススタディやチームプロジェクト型の研修が効果的です。
生成AIやデータ活用などの最新トレンドへの理解
AI・データサイエンス・生成AIなどのテクノロジーは急速に進化しており、これらの動向を理解し、業務に取り入れる力もデジタル人材には求められます。
たとえば、ChatGPTやCopilotなどの生成AIを業務に取り入れることで、文章作成や議事録要約、コード自動生成などの業務を効率化できます。
また、データサイエンスの観点から、社内データを活用してKPIを分析したり、改善アクションを導き出す力も求められます。これらの技術に対する理解を深めるには、体験型の研修やハンズオン形式での演習が効果的です。
目的別に見るデジタル人材育成研修のパターン
初級者向け | リテラシー・ツール習得型研修 | ・「デジタルとは何か」という基本理解 ・業務で頻繁に使用するツールや操作スキルを習得 |
中級者向け | 業務改善・データ活用型研修 | ・業務効率化ツールの活用法 |
上級者向け | DX企画・プロジェクト推進型研修 | ・デジタル技術を活用して業務に変革をもたらす力を育てる |
初級者向け|リテラシー・ツール習得型研修
初級者を対象とした研修では、まず「デジタルとは何か」という基本理解から始まり、業務で頻繁に使用するツールや操作スキルを習得させることが目的です。
具体的には、メール・チャット・クラウドストレージの使い方、ExcelやGoogleスプレッドシートの関数操作、ビデオ会議ツールの基本的な活用法などを扱います。また、情報漏洩やフィッシングメールなど、身近なリスクに対処する情報セキュリティの基礎も取り上げられます。
初級研修のポイントは、「業務で使える」レベルまで落とし込むこと。座学だけでなく、シナリオ形式の演習や社内業務のシミュレーションを通じて、現場での活用につなげる設計が重要です。
中級者向け|業務改善・データ活用型研修
中級者向けには、より日常業務に即した「改善の視点」と「業務効率化ツールの活用法」を中心に据えた設計が効果的です。
例えば、Excelを用いた集計やグラフ化の基本操作に加え、IF関数やVLOOKUPなどの関数を活用した資料作成、集計業務の短縮方法を学びます。また、既存の業務マニュアルや社内手順をデジタル化し、Googleフォームやスプレッドシートでの共有・改善提案を実施する演習もおすすめです。
中級層には「まず試す→改善する」という流れを体験させることが、実務への応用を促します。
上級者向け|DX企画・プロジェクト推進型研修
上級者層には「デジタル技術を活用して業務に変革をもたらす力」を徐々に育てていくことが求められます。
上級者向け研修では、まずは生成AIやクラウドツールの実践的な活用法を習得し、それらを業務改善に応用する視点を養うことが重要です。たとえば、ChatGPTを活用した社内文書の自動作成や、Google Apps Scriptによるルーティン業務の自動化など、明確な業務課題に対してツールを「どう使うか」を考える形式の研修が有効です。
さらに、実際の業務プロセスを可視化し、「このツールでここが改善できる」という仮説を立て、検証するワークを通じて、企画力と実行力を同時に育てていきます。ポイントは、抽象的なDX推進論ではなく、「自社の業務に直結する使い道」に焦点を当てた内容にすることです。
全社展開型|階層別に設計された研修マップの例
効果的なデジタル人材育成を実現するためには、対象者の階層・職種・役割に応じた研修マップを構築することが重要です。
たとえば、「全社員共通のITリテラシー研修」から始まり、「若手社員向けのデータ分析研修」「中堅社員向けの業務改善提案研修」「管理職向けのDX理解促進と部門連携の促進研修」といった形で段階的にレベルアップできる構成が理想です。
このような研修マップは、受講者の現在地を明確にし、次に目指すべきスキルや研修を可視化できるため、モチベーション維持にも有効です。全社的に展開する場合は、部門別・役職別にカスタマイズしたプログラムと、共通基盤としての研修のバランスが重要です。
研修設計で陥りがちな失敗とその対策
座学中心で実務に活かせない
多くの研修でありがちなのが、座学中心で終わってしまい、現場での実践に結びつかないという失敗です。
講義を受けて理解したつもりでも、実際の業務では応用できないというケースは非常に多く見られます。特にIT化が進んでいない企業では、「知っている」と「使える」のギャップが大きいため、ハンズオン形式の演習や、業務に直結したシナリオでの実践が欠かせません。
たとえば、日々使用している帳票を題材に、関数を使った集計演習を行うなど、現場と研修の接点を強化することが重要です。受講者が研修後すぐに成果を出せるような設計を意識しましょう。
対象者のレベルに合わない研修内容
受講者のスキルレベルを正しく把握せず、一律に同じ内容を提供してしまうと、理解が追いつかない者と退屈に感じる者が混在し、全体の学習効果が低下します。
初級者には初級者なりの小さな成功体験を積ませることが必要ですし、中上級者には、現状のスキルより一段階上の課題にチャレンジさせることで成長が促されます。
そのためには、事前に簡易なスキルチェックテストを行い、レベルに応じたグループ分けを行うことが有効です。また、進捗に応じて個別サポートができるよう、コーチやファシリテーターの配置も検討するとよいでしょう。
効果測定がされず、改善につながらない
せっかく研修を実施しても、実施しっぱなしで「成果が出たのか分からない」という状況に陥るケースも多くあります。
特に上層部への報告が求められる場面では、効果の“見える化”が求められます。定量的には、簡単な事前・事後テストの実施、アンケートによる自己評価、出席率・完了率などの指標を設定するとよいでしょう。
また、定性的な評価として、上司やチームメンバーからの360度フィードバック、研修後の行動変化の観察なども活用できます。これらのデータを研修改善に活かすことで、より実効性のある人材育成が可能になります。
効果的な研修を実現するためのポイント
最新ツール・技術の活用(生成AI等)
日々進化するテクノロジーのなかで、特に注目されているのが生成AIの活用です。
これらの技術を実際に使いながら体験することで、「便利そうだけど難しそう」という心理的ハードルを下げることができます。たとえば、ChatGPTを使った議事録作成や情報収集・整理といった演習は、業務との関連性も高く、受講者の関心を引きつけやすい内容です。
「最新技術=難しい」ではなく、「現場で使える・役立つ」ツールであることを体感させることが、導入成功の鍵です。
スキルの可視化(アセスメント・自己診断)
研修のスタート地点として、受講者のスキルを「見える化」することは欠かせません。
簡易的なデジタルスキル診断や、業務での活用頻度を問うアンケートなどを用い、受講者ごとに「何ができて、何ができないのか」を明確にします。これにより、研修の内容を最適化できるだけでなく、受講者自身も「自分にはこのスキルが不足している」と自覚しやすくなり、学習モチベーションの向上にもつながります。
さらに、診断結果を上司やチームと共有することで、研修の目的意識をチーム全体で持つことができるようになります。
ハンズオン+チーム学習での習得支援
知識のインプットだけでは、スキルの定着は難しいのが現実です。そのため、講義形式ではなく、ハンズオン演習を重視した構成にすることで、「知っている」を「できる」に変えることができます。さらに、受講者を4~5名の小グループに分け、ペアワークやチームディスカッションを通じて協力しながら学ぶ形式を取り入れると、学習効果は格段に向上します。互いの理解度を補完し合いながら、気づきやノウハウを共有できるため、定着率が高まると同時に社内のコミュニケーション活性化にもつながります。
チーム学習×実践重視のデジタル研修|CREW

デジタル人材の育成において、「学んだ内容を業務で実践できるようにすること」「最後までやり切ること」は、最大の課題です。特にeラーニング中心の個人学習では、モチベーションの維持や進捗管理が難しく、修了率が低い割合にとどまるという調査結果もあります。
こうした課題を解消するために作られたのが、チーム学習型のデジタル研修「CREW」です。受講者4~5名と専属コーチで構成される小チーム制で、毎日の進捗報告・相互フィードバック・ハンズオン演習を通じて、自然な規律と支え合いの仕組みが形成されます。
CREWの特徴
IT初心者でも続けられる「チーム学習型DX研修」
CREWでは、受講者4〜5名と専属コーチによる少人数チームを編成。Slack上で日々の学習報告・進捗共有・フィードバックを行うことで、自然に学習習慣が身につきます。特に、ITに不慣れな社員でも、仲間と支え合う仕組みにより挫折せずにやり切ることが可能です。
生成AIによる“つまずかせない”サポート体制
業務改善やDX推進のための研修では、「途中で理解が止まってしまう」ことが最大の障壁です。CREWではChatGPTなどの生成AIと連携した24時間対応の質問機能を搭載。疑問を放置せず、すぐに解決できることで、非エンジニア層でも安心して進められます。
プロ認定コーチが伴走
CREWのコーチは、20時間以上の研修を受けた認定者が担当。単に講義を行うのではなく、DXや業務改善に向けて「自分で考え、動けるようになる」ための思考習慣やモチベーションづくりまで支援します。
ITに苦手意識がある社員も、前向きに取り組めるよう導きます。
CREWで提供している主な研修プログラム
ITパスポート・G検定・DS検定などのDX資格対策講座
生成AIやクラウドを活用したDX企画・実践型研修
新入社員向けフルスタックエンジニア研修
業務改善・プロジェクト推進型のOJT研修
まとめ
デジタル人材の育成は、IT部門に限らず全社で取り組むべきテーマです。リテラシーの底上げから始まり、段階的に業務改善や企画実行までのスキルを育てることで、現場からDXを推進できる人材が育成されます。
自社の状況に合った研修設計と、実践的な内容によるスキル定着を意識することが、これからの人材戦略の鍵となります。
「実践型」なDX研修をお探しの方は、ぜひ『CREW』の導入をご検討ください!